大原ファミリークリニック
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 ピロリ菌抗体価で感染診断が可能か?

 

 

1. ピロリ菌抗体価 3.0 U/mL未満推定値は信頼できる(2014年)
  
 高感度測定法による抗体価とEプレートの3.0 U/ml未満推定値の相関関係を検証しました。その結果、両者には相関係数 r=0.945 と非常に高い相間があり、3.0未満推定値は信頼できることが明らかとなりました。(図1)
 

 
 
図1 Eプレート3.0 U/mL未満の推定値と実測値の相関関係
 

2. 推定値を用いた後ろ向き研究(2014年)
 当クリニックで上部内視鏡検査、迅速ウレアーゼ検査およびピロリ菌抗体価を測定した方のピロリ菌感染状態(未感染、既感染、現感染)と抗体価の関係を調べてみました。抗体価の3.0 U/ml 未満は推定値を使用しました。また、既感染は除菌後既感染と除菌歴のない既感染(偶然の抗生剤によりピロリ菌が死滅した状態)に分類しました。各感染状態と年齢の関係は以下のようになりました。(図2~5)
 

 
図2 現感染の抗体価と年齢の関係

 
 

 
図3 除菌後既感染の抗体価と年齢の関係
 

 
 

 
図4 除菌歴のない既感染の抗体価と年齢の関係
 

 
 

 
図5 未感染の抗体価と年齢の関係
 

 ピロリ菌感染陰性となる抗体価10 U/mLの範囲について各抗体価と年齢の関係を重ね合わせてみました。(図6)ピロリ菌の各感染状態はそれぞれの抗体価が層状に分布することが明らかになりました。抗体価1.6 U/mL以上を既感染、1.6 U/mL未満を未感染とすると(カットオフ値1.6 U/mL)、感度98.0%、特異度98.4%という高い精度で両者を鑑別できることがわかりました。 
 

 
図6 抗体価10 U/mL未満における各感染状態の抗体価と年齢の関係 

 
  実際の論文はコチラです ⇒ <2014年論文>.pdf
日本ヘリコバクター学会誌 Vol.16 No.2 18-25
 
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